武田薬品 糖尿病新薬2剤を相次ぎ国内申請へ

武田薬品 糖尿病新薬2剤を相次ぎ国内申請へ
GPR40作動薬とDPP-4週1製剤
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/kigyo/article/1226572820406.html



武田薬品工業
週1回投与のDPP-4阻害剤「SYR-472」
新規作用機序のGPR40作動薬「TAK-875」
を今年度から来年度にかけ、相次ぎ国内申請する方針だ。
次世代糖尿病薬のSGLT-2阻害剤で激しい開発競争を繰り広げる競合他社は
営業戦略の主軸を「DPP-4とSGLT-2のコンビネーション」に移すとみられる。
一方、SGLT-2阻害剤を持たない武田は
副作用が少ないとされるGPR40作動薬と
患者の利便性向上が期待できるDPP-4の週1回製剤を投入し
マーケットリーダーの地位を保ちたい考えだ。


2014年度中の国内申請、15年度中の承認取得を見込むTAK-875は
同社のGタンパク質共役受容体(GPCR)研究から創製された化合物で
既存薬と異なる作用機序を持つ。
GPCRの一つで膵島β細胞に発現するGPR40に作用し
グルコース濃度依存的にインスリンの分泌を促す。SU薬やグリニド系薬と異なり
低血糖膵臓の機能が低下する「膵疲弊」を起こす可能性が低いことが期待されている。


現在、日米欧で臨床第3相(P3)試験中で
ランセット」に掲載されたP2試験結果によると
全ての用量(6.25〜200mgの5用量)でプラセボに比べてHbA1cを有意に低下。
低血糖発現率は、SU薬グリメピリドの16.1%に対し、TAK-875では2.3%と有意に低かった。
「副作用の可能性が低く、良好な血糖コントロール効果が期待できる。
市場をリードするファースト・イン・クラスの薬剤になる」(同社)。
SU薬から置き換わる可能性があり、大型化が見込まれる。


一方、週1回投与のDPP-4阻害剤SYR-472は現在、国内でP3試験を行っており
今年度中の申請、14年度中の承認取得を目指す。
「ネシーナ」(一般名=アログリプチン)とは別成分で
承認されれば経口糖尿病治療薬としては世界初の週1回投与製剤となり
患者の服薬コンプライアンス向上が期待される。


◆主導権争いが活発化
国内の糖尿病治療薬市場をめぐっては
6成分がしのぎを削るDPP-4阻害剤が2000億円規模に成長。
加えてSGLT-2阻害剤も6成分の発売が予定され、企業間提携が活発化している。
特に、DPP-4阻害剤とSGLT-2阻害剤をオリジンで持つ田辺三菱製薬
「両剤を持つことがこの領域の強み」として
提携相手の第一三共とディテール攻勢をかける方針で
糖尿病治療薬市場での武田への圧力も一段と高まりそうだ。