「NHK受信料は月100円が妥当」

大前研一さん
NHK受信料は月100円が妥当」
紅白、大河、朝ドラ、大相撲、高校野球は不要
https://president.jp/articles/-/65415

公共放送のNHKにエンタメはいらない

激変する時代において公共放送に求められるのは、
世界と日本のニュースを正確かつ迅速に伝えることである。
それを最優先せずエンタメを重視する放送に、公共放送を名乗る資格はない。

私は毎夕5時にNHKのニュースを見ているが、
大相撲のシーズン中(年間90日)は報道番組はやらない。
ニュースより、ニーズのない大相撲が優先されるのは「利権化」している証拠だ。
しかもBSでは、十両くらいの取り組みから延々と放送をしている。
お客がほとんど入っていないのに、NHKでは全国放送しているのだ。

一部のマニアしか見ていない大相撲を中継するために、
NHK日本相撲協会に高い放映権料を支払っている。
受信料のことを考えれば、公共性の高いニュースを犠牲にして
相撲協会を儲けさせる理由が、私にはどうしても理解できない。

さらに、NHKが頑かたくなに放送を続けているスポーツコンテンツがもう1つある。
高校野球だ。
特に夏の甲子園の中継は疑問だ。
酷暑の中でプレーさせるのは球児たちの健康にも良くない。
夏にやる必要性が見いだせないし、
野球ファンが年々少なくなっていることは言うまでもない。

24時間365日連続の報道専門チャンネル

現在、NHKは地上波に2つ、BS(衛星放送)に4つのチャンネルを持っている。
経営計画でBSを1つ減らす計画を立てているが、それでも5つ残る。
そのうちのBS2つを使って、何が起きてもひたすらニュースを流す専門チャンネルをつくるべきだ。

たとえば、イギリスBBCは9チャンネルあり、
うち1つはニュースを24時間流す専門チャンネルだ。
中国CCTVに至っては20チャンネル以上を有して、
通常のニュース専門チャンネルはもちろん、経済ニュース専門チャンネルもある。
公共放送にとってニュースは神聖なもの。
他に邪魔されない専門チャンネルがあることが世界標準だ。

エンタメとスポーツは受信料でない課金制に

ニュースと教育以外はすべて「総合チャンネル」に集めて、
受信料とは別の料金体系の課金システムを導入するべきだ。
見たい人だけがお金を支払うようにすればいい。
大河ドラマ紅白歌合戦の豪華なセットに受信料を使われたくないと思う人は、
ニュースや教育の専門チャンネルだけ契約すればいい。
1チャンネル年間1000円(月額100円)くらいが適正価格だろう。