働かないアリは長生き

働かないアリは長生き 琉大・辻教授ら研究チーム発見
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-212621-storytopic-1.html


琉球大学農学部の辻和希教授の研究チームは
このほど、働きアリよりも、働きアリの労働にただ乗りする、
働かないアリの生存率の方が高いことを突き止めた。


個々が社会の目標より自分の目標を優先してしまうことで
社会をつくることができなくなるという、
人間社会でもみられる「公共財ジレンマ」の実例を、
人間と微生物以外で初めて発見した。


「公共財ジレンマ」とは、
協力して社会をつくれば最終的な利益が大きいにもかかわらず、
他者よりも大きな利益を得るために、
他者の働きにただ乗りするという事態が起こり、
社会をつくることができないことを指す。


研究チームがアミメアリを使い実験したところ、
労働せずに産卵ばかり行うアリが交じっていることを発見し、
それらは働きアリとは遺伝的に異なる系統に属することを確認した。
働かないアリは、働きアリによる助け合いの利益にただ乗りしている。


研究によると、働きアリは
働かないアリの分まで巣の外に出て労働するため「過労死」し、生存率が下がる。


働かないアリは
働きアリよりも多く子どもを産むが、その子どもは親と同様に働かない。
だが、働かないアリのみの社会では、子孫を残すことはできないという。