半夏白朮天麻湯

ツムラ漢方スクエア 臨床医のための漢方Q&A
稲木一元先生 東京女子医科大学東洋医学研究所講師

http://www.tsumura.co.jp/password/magazine/110/qa.htm


半夏白朮天麻湯
使用目標 : 起立性調節障害、内耳性めまい、身体動揺感
ポイント : 虚弱体質で慢性胃炎胃もたれ・食欲不振など)あり。
        慢性緊張性頭痛をともなうこともある。


【症 例】 15歳女子高校生
【主 訴】 「長く立っていられない」
【病 歴】
2年ぐらい前から朝だるくて起きられない。
起きても1〜2時間はボ−ッとしてフラフラする。
満員電車で通学、途中でしばしば気持ち悪くなり、途中下車せずにいられない。
学校でも朝礼で立っていると倒れてしまう。
通学出来ないため一年間休学した。
しばしば頭痛がする。風邪をひきやすい。食欲がない。
【経 過】
半夏白朮天麻湯を投与。
2週後、「立ちくらみが少し軽くなった気がする。電車通学も今のところ出来ている」
4週後、「朝礼も電車も大丈夫。食欲が出てきた」
6週後
「体調がよい。朝も気持ち良く、すぐに起きられる。元気が出た。通学、朝礼もなんともない」。
2カ月後
「電車には問題なく乗れる。朝礼も大丈夫。頭痛もない。立ちくらみはもう大丈夫」

白朮


http://www.kamponavi.com/med/s_9090.html


オケラ、またはオオバナオケラの根茎を乾燥したもの。
白朮には邪気を払う力があると信じられてきました。
「オケラ詣り」で知られる京都の八坂神社の初詣は
白朮を燃やした火を持ち帰る神事で知られます。
また、お酒に浸けて飲む正月の屠蘇散にも、白朮が配合されています。