失神とてんかんの鑑別

失神とてんかんの鑑別、前兆や顔色に着目を
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t273/201608/547873.html

表 失神とてんかん発作の鑑別に有用な所見(国際医療福祉大の赤松直樹氏による)


痙攣の有無では鑑別できない
失神やてんかんの多くは来院時に発作が治っているため、
発作の状況を医師が直接確認できない。
そのため、問診で発作時の状況を確かめる必要があるが、
どのような所見を重要視するかが医師によって異なり、
それも両者を見誤らせる原因となっているようだ。


特に注意が必要な所見に痙攣がある。
順天堂大附属練馬病院の住吉正孝氏は、
「痙攣を起こした場合はてんかん発作を疑いがちだが、失神でも痙攣は生じ得る。
発作時に痙攣を伴ったからといって、それだけでてんかんと診断すべきではない」
と指摘する。


両者の鑑別に有用なのは、発汗や前兆、顔面蒼白の有無などだ(表)。
発作が起こる前に発汗を生じたり、眼前暗黒感という前兆を認めれば失神の可能性が高い。
発作時に顔面蒼白を生じた場合は失神、顔面が赤くなった場合はてんかんが考えられる。
てんかん発作時は怒責により顔面が赤くなることが多いためだ。