武田薬品、がん領域で25年に「世界トップ10」

武田薬品、がん領域で25年に「世界トップ10」  大型化期待の血液がん2剤を軸に
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/kigyo/article/1226585437756.html?pageKind=outline


武田薬品工業は、2025年にがん領域の市場で世界トップ10入りを目指している。
血液がん領域では5位を狙う。
将来のブロックバスター候補として期待を掛ける血液がん治療剤の
「ニンラーロ」と「アドセトリス」を軸に目標達成を目指す。

 
同社は、がん領域を重点領域の一つに据えている。
同領域では現在、計6製品を販売しており、
うち血液がん治療剤は「ベルケイド」、ニンラーロ、アドセトリスの3剤。
昨年12月に米国で発売を開始したニンラーロは
“多発性骨髄腫を対象とした最初で唯一の経口プロテアソーム阻害剤”で、
同国での売り上げは想定以上で推移。
欧州では今年5月にCHMP(医薬品評価委員会)が
承認を推奨しないことを勧告する否定的見解を出したのを受け、再審査を要請している。
日本では今年中に申請する予定。

 
12年に欧州で発売開始し、北米を除く全世界で販売しているアドセトリスは
“ホジキンリンパ腫、全身性未分化大細胞リンパ腫を対象とした
ファースト・イン・クラスのCD30陽性抗体薬物複合体(ADC)”。
日本も含めたグローバル全体で標準治療になりつつあるという。

 
グローバル オンコロジー ビジネス ユニット プレジデントのクリストフ・ビアンキ氏は、
がん領域のグローバル市場での同社のポジションが
15年の11位から25年に8位に上昇するとした資料を示した上で、
「25年にオンコロジーでトップ10、血液がんでトップ5」を目指す考えを表明。
25年時点のがん領域の売り上げは「約60億〜70億ドル規模」を見込んでいる。

 
目標達成のための基本戦略としては
▽価値最大化(ニンラーロとアドセトリスの適応拡大)
▽優先順位付け(画期的な潜在力のある重要なパイプラインに集中)
▽提携(ADCとがん免疫療法におけるパートナリング)―の3点を掲げた。

 
●ニンラーロ「30億ドル以上」、アドセトリス「10億ドル超」
チーフメディカル&サイエンティフィックオフィサーのアンドリュー・プランプ氏らは、
がん領域の開発戦略を説明した。
ニンラーロは「初発の多発性骨髄腫」などの適応拡大を、
アドセトリスは「ホジキンリンパ腫のフロントライン」などの適応拡大をそれぞれ目指す。
同社は両製品ともに将来的にブロックバスター製品に成長するとみており、
ニンラーロには30億ドル以上、
アドセトリスには10億ドル超のポテンシャルがあるとみている。


また、臨床早期段階にあるパイプラインの開発にも力を注ぐ。
その一つ、SYK/FLT-3デュアル阻害薬TAK-659は
「血液がんに対する画期的な経口医薬品」となる可能性を秘めているという。


さらに新規技術を活用した次世代ADCの創製や、
既存パイプラインとPD-1阻害剤との合理的な併用療法の追求、
戦略的パートナーシップを通じたがん免疫における
新たなエントリーポイントの特定などにも取り組み、
血液がん領域でのプレゼンスを向上させる。