筋肉トレ効果アップ、正しいプロテインの使い方
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO80630160Y4A201C1000000/
プロテインは
「筋肉や骨の原料となるアミノ酸をバランスよく補給できる手軽な食品」
と森永製菓ウイダーマーケティング部の守田稔部長
一般に“たんぱく源”といわれる肉・魚、大豆のたんぱく質量は
重量の4分の1程度(図1)。
脂質なども含むので、筋肉量を増やそうと肉をたくさん食べると太ってしまいかねない。
グラフは、食品100グラムを食べたときにとれるたんぱく質、脂質の量を表したもの。
「たんぱく質が豊富」といわれる食品でも、実際にとれるたんぱく質の量は意外と少なく、
脂質も含むことが分かる(データ:「五訂増補日本食品標準成分表2010」より)
一方、プロテインは、牛乳や大豆から抽出したたんぱく質を精製したもので、
消化しやすいため胃腸への負担も少ない。
「脂質や糖質を含まないので、たんぱく質の摂取量を増やしたいけど脂肪はとりたくない、
肉や魚が苦手という人は、プロテインをサプリメント的に利用するといい」
と明治スポーツ栄養マーケティング部で管理栄養士の奈良典子さんは話す。
ただし、たんぱく質も必要以上にとると余剰分は脂肪に変わる。
運動もせず、ただプロテインをプラスすればカロリーオーバーになることも。
「3食きちんとたんぱく質をとっていて、運動量が少ない人なら、
毎日プロテインをとらなくても、運動したときだけその後にとるようにすればいい」
と森永製菓ウイダーマーケティング部の本多秀和さんはアドバイスする。
■運動後にとるならホエイプロテイン、ダイエット中なら大豆プロテイン
プロテインは、精製されているので食品よりも消化吸収が早い。
なかでも牛乳の乳清由来のホエイプロテインは吸収が早く、
運動後の筋肉の修復や筋疲労低減にいい。
「大豆プロテインは、ホエイプロテインに比べ、
体脂肪を減らしやすいという報告もある。目的に合わせたセレクトを」(奈良さん)。
・吸収が早い「ホエイプロテイン」
牛乳や、ヨーグルトの上澄みに含まれる乳清(ホエイ)由来のプロテイン。
消化・吸収が早いため、トレーニング後の傷ついた筋肉を
速やかに修復する目的でとるのに適している。
・持続的に効く「カゼインプロテイン」
牛乳に含まれるたんぱく質の約8割を占めるたんぱく質で、
その凝固する性質を利用して、チーズやヨーグルトが作られる。
ホエイプロテインの3倍の時間をかけて吸収される。
・大豆イソフラボン、サポニンもとれる「大豆プロテイン」
大豆由来のプロテイン。脂肪を低減するβコングリシニン、
コレステロール低下作用や抗酸化作用を持つ大豆イソフラボンやサポニンも含む。
吸収がゆるやかで腹持ちがいい。
ほかに、エッグプロテイン、小麦プロテインなどもある。
■毎日とるなら朝食にプラス 筋肉アップには運動直後がベスト
週に2〜3回行うトレーニングの効率を高めたいという人は、
運動後にプロテインをとる習慣をつけるといい。
運動後は筋肉でたんぱく質の分解と合成が行われる。
「このとき速やかにプロテインを補給すると、
効率よくたんぱく質の再合成が行われ、筋疲労も低減する。
運動後45分くらいまでにとれば、筋肉へのアミノ酸輸送量が約3倍に高まるといわれている」
と本多さんは説明する。
たんぱく質をより細かくしたアミノ酸のほうが吸収が早く、
効率がいいように感じるかもしれないが、
「筋肉合成に適したアミノ酸バランスがある。
その人にとってどれが不足しているかが分からないため、
アミノ酸バランスのとれたプロテインでまとめてとったほうがいい」
と守田部長は説明する。
20〜41歳の健康な男女各5人が対象。プロテイン10g配合の試験食を、
1時間の有酸素運動の直後にとった場合と、
3時間後にとった場合の脚の骨格筋のたんぱく質代謝を調べた。
その結果、運動直後にとったほうがたんぱく質の合成が明らかに高かった。
(データ:Am J Physiol Endo crinol Metab.;280, E982-E993, 2001)