107円


http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF14H03_U4A910C1NN1000/?dg=1

マーケットナビ

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今週は、ドル高が進行した。
先週5日の8月米雇用統計が市場予想を大幅に下回る中、
ドル円は、その日のNYクローズで105円台を維持。


これで下値の堅さを確認したマーケットは、週が開けるとドル買が先行、106円台に乗せた。
9日には、ダウ平均が一時120ドル近い急落となったことを受けて、
ドルが売られる場面が見られたものの、下押しを拾いたい向きが非常に多く、
再び高値を更新する展開となった。


そして、11日には、安倍首相とランチミーティングを行った黒田日銀総裁が、
「物価目標の達成が困難なら躊躇なく追加緩和を行う」と発言すると、
ドル買い円売りが加速し、107円台まで上昇。


その日の夜には、経済番組に出演した黒田日銀総裁
「今の円安が日本経済にマイナスになるということはない」
「追加緩和策の限界はない」などと話したことから、
一時、ドルは107.20円の高値まで買い上げられた。
続く12日の東京市場では、一時、107.39までドルが買われている。
ドル円は、年初来高値であった1月2日の105.45円を終値ベースで完全に上抜けてきた。





ドル円は、今年長らく続いたレンジ相場をようやく上抜けてきた。
マクロファンド勢などがこぞってドルを買い上げた他、
長期資金によるドル買いも断続的に入っていた。
また、16-17日に予定されてるFOMCでは
フォワドガイダンス」の変更があるのではとの憶測も台頭しており、
ドル買いを後押ししたようだ。


今週は、当局による後押しも目立った。
黒田日銀総裁は11日のランチタイムに安倍首相と会談。
終了後には「物価目標の達成が困難なら躊躇なく追加緩和を行う」との発言があったほか、
その日の夜には経済番組にも出演し、
「今の円安が日本経済にマイナスになるということはない」、
「追加緩和策の限界はない」とも発言している。


ドル円は、チャート上では2008年8月15日の高値110.67円が視野に入ってきているが、
気をつけなければならないのは、米国サイドからの反応だ。
今年1月に105円まで上昇した時点では、
ルー米財務長官からの円安牽制発言が見受けられた。


今のところ、そうした動きは出てきていないが、ドル円の上昇スピード次第では、
1月と同様の牽制発言が出てくる可能性を否定出来ない。
米国の反応は、十分に注意する必要があるだろう。


来週のドル円は引き続きしっかりした動きとなりそうだ。
長期資金の買い意欲は依然強く、米マクロファンド勢の買いも断続的に出てきている。
下値では、9日の高値106.47円が目先の目処として意識されているほか、
一目均衡表転換線の105.75円や5日の高値105.71円がサポートレベルとなっている。
また、1月2日の高値105.45円もポイントとなる。


上値では、チャート上では
2008年8月15日の高値110.67円がレジスタンスレベルとして意識されている。
本邦実需勢中心にドルを買いそびれている向きも多く、下値は限定的となりそうだ。


来週は、16-17日にFOMCを控えている。
今回のFOMCではメンバーの「経済・金利見通し」が発表されるほか、
イエレンFRB議長の定例記者会見も予定されており、注目が集まっている。
声明文ではフォワドガイダンスの変更があるのかどうかを見極めたい。