ソロス

米経済、長期にわたる減速に直面する可能性

New York  Apr 6


 George Soros

 
米著名投資家ジョージ・ソロス氏は、米経済について
「長期にわたる減速」に直面する見通しであり、高インフレとともに
日本式の比較的低成長期を迎える可能性があるとの見方を示した。


ソロス氏は
「米経済が第3または第4・四半期に回復するとは予想していない。
従って、かなり長期的な減速に直面しそうだ」と語った。


また
「金融システム全体が、基本的に支払い不能となっている」と指摘。
「われわれが現在作り出した状況は
金融機関が窮地を脱することは可能だろうが
そうすることで、経済を圧迫するという状況だ。
経済を刺激する代わりに、こうした金融機関は
存続するために実体経済から活力源である利益を吸い取るだろう。
これはゾンビ機関を作り出す状況だ」と語った。


ドルは売り圧力にさらされており
将来的に世界の準備通貨の地位を失い
恐らく、国際通貨基金IMF)の特別引き出し権(SDR)が
ドルに取って代わるとの見方を示した。


「現在ドルは疑問視されており
米国にも他国同様の規律を求めるための制度改革が必要だ」


基軸通貨国として、今まで免除され乱用してきた。
これは、生産した物の6.5%を上回る物を効果的に消費してきたため。
こうした状況は終わりに近づいている」との考えを示した。


ドルが下落し、金利上昇や成長減速を引き起こす
ドルの「転換点」のリスクがあるとし
「これはスタグフレーションにつながる」と指摘
ハイパーインフレよりもスタグフレーションの可能性が高い
との見方を示した。


中国は最近
SDRが将来的に世界の準備通貨になることも視野に入れ
SDRの使用拡大を提唱した。


ソロス氏は
「ドル以外の国際的な会計単位を確立することは
長期的にはわれわれにとっての利益となる。
それによりわれわれは散財できなくなる。
米国は過去25年間いい思いをしたが、今高い代償を払っている」
と語った。


その上で、現在GDPの3分の2を占める米個人消費
対GDP比60%まで減少する必要があるとの考えを示した。


中国は他国よりいち早く景気後退から脱却し
それは恐らく今年になり、2010年には
世界経済成長のけん引役になるとの見方を示した。


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スタグフレーション Stagflation
景気が停滞しているにもかかわらず、インフレーションが続くこと。
不況(Stagnation)と インフレーション(Inflation)の合成語。
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reference
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37359020090407?feedType=RSS&feedName=topNews
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9
http://www.nomura.co.jp/terms/japan/su/stagflation.html