リーマス

医師のための薬の時間

Q.食塩制限患者に対して、リーマスの投与は禁忌とされている。その理由は?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/doctors/series/drug/imedis/200812/509036.html





A.腎臓におけるリチウムの排泄が低下するため

リチウムは腎臓で糸球体ろ過を受けた後、近位尿細管において
ナトリウムの再吸収システムを介して効率よく再吸収されている。
ここで、低塩食などにより体液中のナトリウムが低下すると
代償的にナトリウムの再吸収システムが亢進し
同時にリチウムの再吸収も亢進するため、リチウムの体内量が増大する。
(以上のことから、食塩制限患者に対しては炭酸リチウムの投与は禁忌とされている。)


炭酸リチウムは治療域と中毒域との差が小さいので
血中リチウム濃度の測定と、慎重な臨床観察が必要である。


副作用としては、リチウム中毒として
嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、嚥下困難、粗大振戦、筋攣縮、運動障害
運動失調、脱力、運動過少、傾眠、眩暈、発熱、発汗、言語障害、錯乱などが起こる。
更に進むとせん妄、昏迷などが起こってくる。