オラペネム

2011#18
第25回沖縄県耳鼻科医会講演会 明治製菓

沖縄県医師会館

【特別講演Ⅰ】

小児急性中耳炎をめぐる最近の話題
矢野寿一先生(東北大学大学院医学系研究科臨床微生物解析治療学講師)



急性中耳炎の起因菌は、肺炎球菌G(+)とインフルエンザ菌 G(−)
肺炎球菌にはペニシリン=クラバモックス、AMPC、入院時はユナシン、カルベニン
インフルエンザ菌には第3世代セフェム=メイアクト。入院時はロセフィン、メロペン

【特別講演Ⅱ】

副鼻腔炎ガイドライン(2010)に基づいた実地医家の治療戦略〜
工藤典代先生(千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科教授)



小児の上顎洞貯留液および鼻汁からの検出菌は
上顎洞貯留液 ①インフルエンザ菌(BLNAR) ②肺炎球菌(PRSP)
鼻汁 ①インフルエンザ菌(同) ②肺炎球菌(同) ③モラクセラ・カタラーリス


推奨グレードAの抗菌薬はAMPCだが、実はAMPCには副鼻腔炎の適応がない。
軽症でも改善がない場合は、AMPCを高用量使う(1.5倍から2倍に)
メイアクト、フロモックス、トミロンの高用量、オラペネムも可。
小児へのキノロン投与は現段階ではエビデンスがなく、推奨されない。
副鼻腔炎ケフラールを使う医者がいるが、すでに抗菌力はなく、無意味。
クラリスやエリスロマイシンはインフルエンザ菌、肺炎球菌のどちらにも効かない。


成人ではレスピラトリーキノロンを使ってよい。
ジェニナック、クラビットアベロックス


質疑応答:点耳薬について
点耳薬は鼓膜に穴があれば使う。穴が無ければ効かない。