「軽い肺気腫」 よくなるか
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=35905
Question
74歳女性
病院で「軽い肺気腫」と診断されました。
深呼吸しないと肩で息をするような状態が長時間続き、たんも出ます。
Answer
肺気腫は、肺胞の壁が壊されて血液との出会いが減り
肺の弾力も低下して呼吸がしにくくなる病気です。
肺気腫の大半は、空気の通り道の細い部分の炎症(慢性気管支炎)も併発するので
肺胞への空気の出入りも悪くなります。
現在では、肺気腫と慢性気管支炎をあわせて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼びます。
日本では高齢者を中心に、530万人以上の患者がいると推定されますが
診断されていない人が多数を占めています。
最初は息切れや、せき、たんが主な症状ですが
進行すると呼吸が極めて困難になり、長期間の酸素吸入が必要になります。
肺がん、動脈硬化、骨粗しょう症、心臓血管疾患、うつ病などの危険性も高くなります。
最大の原因はたばこですので、禁煙が何より大切です。
そのうえで、腹式呼吸やすぼめた口での呼吸、定期的な歩行運動などのリハビリテーション
気管支拡張薬の服用などを早期からしっかりと組み合わせると、症状の進行が抑えられます。
早めに呼吸器内科の専門医を訪ね、治療を始めて下さい。
また、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種や
栄養バランスの取れた食事も、肺の健康を守るのに有効です。
福地義之助先生 順天堂大 呼吸器内科客員教授
(2011年1月24日 読売新聞)