手掌角皮症

日経新聞 漢方道場
北里大学東洋医学総合研究所所長 花輪壽彦先生
http://www.nikkei.com/life/health/page/p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E2EBE1


Q.

32歳、女性。
数年前から生理不順で
非常に多い月がある一方、全くない月もあります。
いつも腹部がはっているように感じ
生理の時に下腹部痛、頭痛、腰痛が強くなります。
また手の指が荒れてかゆくなり、夏には水疱のようなものができ
冬には亀裂が生じるほど乾燥して痛みます。
手のひらや唇も乾き、クリームを常用しています。
冷え性にもかかわらず、手のひらや足がほてることもあります。
漢方によい薬はありますか。

おそらく手掌角皮症(しゅしょうかくひしょう)と呼ぶ病気でしょう。
漢方医学は様々な症状や兆候は、体全体のゆがみや異常に関連しているととらえます。
月経異常や腹部の膨満感、頭痛、手の指や手のひら、唇の乾燥は
血行不良を基盤とした共通の病態と考えます。


この女性はお血という病態で
微小な循環障害による痛みや皮膚の血行不良が原因とみられます。
こうした病態を治す漢方薬としてまず温経湯が考えられます。
血行をよくし、皮膚を潤し、痛みをとり、冷えやほてりを治す処方です。


同様の皮膚症状で、目のまわりのくまや肩こり、胃腸障害、イライラなどの症状があれば
加味逍遙散桂枝茯苓丸などを使います。