肝炎

NHK 「きょうの健康」より
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archive/2010/0420/index.html

B型肝炎

B型肝炎の経過



B型肝炎は、自然に治る場合が多く、ウイルスが存在するのに
肝炎が起こっていない「無症候性キャリア」と呼ばれる状態になる場合もあります。
無症候性キャリアの場合は、将来1〜2割が慢性肝炎に進み
肝硬変、肝がんが起こる可能性もあるので、定期的な検査が必要です。
治療は、慢性肝炎を発症してから始めるのが原則です。
ウイルスを完全に排除するのが困難なため、増殖を抑え
肝機能を正常にして、肝硬変や肝がんへの進行を防ぎます。


B型肝炎薬物療法



薬物療法では、「核酸アナログ製剤(ウイルスの増殖を防ぐ薬)による治療」
「エンテカビルとインターフェロンの併用療法」「インターフェロンの単独治療」
などが行われます。肝庇護療法が行われることもあります。

エンテカビル

エンテカビルはウイルスの増殖を抑える









商品名「バラクルード錠」ブリストル・マイヤーズ
用法及び用量
1日1回 空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)

C型肝炎

C型肝炎の経過



C型肝炎では、ウイルスに感染して
「急性肝炎」を起こした人の約7割が「慢性肝炎」に進行します。
放置していると20〜30年後には「肝硬変」になり
そのうちの約8割は5〜10年で「肝臓がん(肝がん)」を発症します。
C型肝炎の治療では、まず薬物療法でウイルスの排除を目指します。



ウイルス量が少ない場合には
注射薬の「インターフェロン」または「ペグインターフェロン」が単独で使用されます。
ウイルス量が多い場合には
ペグインターフェロンリバビリン
インターフェロンβとリバビリン」の併用療法が行われます。
定期的に「HCV−RNA」を調べる検査を行い
治療終了の6ヶ月後に陰性と判定されると“完治した”と診断されます。


ウイルスの減少が認められず排除が困難と判断された場合や
治療を断念せざるを得なかった場合は、発がん予防の治療に切り替えます。
肝硬変や肝がんを防ぐ目的で「インターフェロン少量長期療法」を行います。
インターフェロンによる治療が難しい場合は
肝機能の悪化を防ぐために「肝庇護療法」が行われます。
また、現在、ウイルスの増殖を抑える「プロテアーゼ阻害薬」の開発が進められています。