アリセプト

CLINICIAN 2009 NO. 583
座談会:アリセプトの使い方
http://www.e-clinician.net/vol56/no583/pdf/sp02_583.pdf


消化器症状に対する対応

穴澤
消化器症状については
事前にこういう副作用が出る可能性はありますとお話します。
ただし「20〜30人に1人くらいですから、あまり怖がる必要はありません。
消化器症状の副作用が出ても、飲んでいるうちに治まってくることが多いので
なるべく飲ませ続けてください」と説明します。
それでも、全く食べられなくなるという場合には、止めてもらいます。
実際に吐き気がひどいとか、食欲が低下したという方は、そんなに多くはありません。
服用の初期には、副作用が出て食欲をなくしたが
またすぐに食べられるようになったという方がほとんどですね。


司会
消化器の症状に関して
何か具体的に薬物治療で対応されるということはありますか?


穴澤
アリセプトで吐き気がひどくて、止めざるを得なかったのですが
それでも認知症の進行が怖いので、「何とかしてほしい」と
私の病院に紹介されてきました。
それで再びアリセプトで治療することにしたのですが
ドンペリドンを併用して、アリセプトをまず3mg投与しました。
1週間後に来院され、吐き気は全くないということでしたので
ドンペリドンはそのまま継続してアリセプトを5mgに増やし
今も維持していますが消化器症状は出ていません。

増量によるアリセプトの効果

徳田
効果の話ですね。
ざっと10人のうち2人は一時的にせよ意欲や活動性があがる
進行が遅くなるのが6人、効果がなく進行のスピードが変わらないのが2人
と見ています。

アリセプトを投与している間に、ご家族の対応が変わってきます。
よい意味で変わってくるわけです。だんだん病気が分かってくるから。
そうすると周辺症状を中心としてといったほうがよいかもしれませんが
症状の進行が止まった感じになることがあります。
症状が重症でも、家族が非常に優しくなると、本当に患者さんは変わるのです。
このような背景もあるのでしょうが
8割くらいの家族が悪化が止まったという感じになるのは事実です


座談会:アリセプトの使い方 
徳田禎久先生 禎心会病院理事長 脳神経外科 
穴澤龍治先生 町立長沼病院 精神神経科