かっこんとう か せんきゅう しんい
琉球新報
浦添協同クリニック 上間進先生
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-144176-storytopic-186.html
11歳の男の子が漢方治療を目的に受診しました。
幼児期からの鼻詰まりで、耳鼻科を数年来通院しているが、夜間何度も起きるとのこと。
葛根湯加川芎辛夷のエキス剤を処方しました。
2週間後の再診時に母親の語るところでは
「飲んだその晩からぐっすり眠ったので、その効果にびっくりしました。
でも4日目からまたもとの状態に戻ってしまった」とのこと。
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)のエキス剤に変更しました。
これも素晴らしく効いて、1日2回が常用量のところを
夜1回だけの内服でも、ぐっすり眠れているようです。
葛根湯加川芎辛夷には9種類
柴胡清肝湯には15種類の生薬が配合されていますが
共通しているのは辛夷と甘草の2種類です。
辛夷は鼻閉に使われるので、これが有効成分かと考えています。
ところで、興味深いのは母親の話です。
「自分も幼少のころから鼻詰まりがひどく、夜も寝苦しい。
子供に漢方薬を飲ませるために包みを切ったら、そのにおいだけで鼻詰まりが良くなった。
そこで試しに飲んでみたら、あまりにも鼻の通りが良いので、かえって息苦しくなってしまった。
なにしろ鼻が詰まった息の仕方で何十年も生活してきたので、正常な呼吸法が分からなかった。
自分は、葛根湯加川芎辛夷も柴胡清肝湯のどちらも効いている」
親子の体質が似ることを考えて、母親にも柴胡清肝湯を飲んでもらっています。