過敏性腸症候群

Q.過敏性腸症候群

過敏性腸症候群と診断されました。2週間から1か月程度の間隔で
食事中などに吐き気や動悸、下痢などを起こします。
どのような点に気をつけて生活すれば良いですか。(28歳女性)

A. 乳製品をしっかり摂取

過敏性腸症候群は、腸に潰瘍やがんなどの病気がないのに
慢性的に腹部の痛みや、不快感を伴う下痢、便秘が続く病気です。


発症には、ストレスが密接に関係すると考えられています。
内臓の働きなどを調整する自律神経のバランスが乱れ
吐き気や動悸、頭痛、肩こりなどの症状を伴うことも少なくありません。


まず、生活習慣を見直し、規則正しい食生活と排便習慣を心がけましょう。
1日に最低20〜30分、外を歩くなど、適度な運動をし、睡眠も十分とるようにして下さい。
食事は、下痢をしている時は、腸の動きを促進する脂肪や
野菜、果物といった食物繊維、冷たい飲み物などの摂取は避けましょう。
反対に便秘になったら、積極的に食物繊維や水分を取るようにします。


ヨーグルトなどの乳製品は、いずれの場合もしっかり取るようにしましょう。
乳製品に含まれている乳酸菌には整腸作用があり、下痢にも便秘にも効果が期待できます。


症状が出た時は、腹式呼吸をして肩の力を抜き、気持ちを落ち着かせるようにして下さい。
音楽や絵画の鑑賞も精神的なストレスを和らげるのに効果があります。


仕事などを完璧にこなそうとすると、ストレスの原因にもなり、症状が悪化しかねません。
何事に対しても100点満点を目指さず、「75点を合格点」と考えるなど
ストレスをためない工夫をしてみて下さい。


鳥居明先生 鳥居内科クリニック院長(東京・世田谷区)
(2009年4月19日 読売新聞)