漢方クイズ

Q.下記の症例に用いられた方剤を検討してみましょう。
冷えと月経痛が軽快しNSAIDの減量に成功した1例
http://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/275/handbook-275.htm





[症例]21歳、女性
[主訴]月経困難、月経不順、浮腫、寒がり
[既往歴]花粉症
[現病歴]6年くらい前より寝込むほどの月経困難。ピルは悪心が強く断念。
NSAIDを常用するが最近効きが悪く当科へ。
疲れやすく、夕方になると浮腫みやすい。特に月経前はひどい。


[現症]体温:35.2度、血圧:95/75mmHg、下腿浮腫(1+)
[治療]◆◆◆(処方名) 7.5g/日分3を処方。
疼痛増強時のNSAID使用は妨げないこととした。


[経過]投与後3日程で体の温まりを自覚。
10日程で迎えた月経痛もVAS<5となり、NSAIDは2日目に2回内服したのみ。
また浮腫の軽快も自覚。3ヶ月後の再診では体温も36.0度まで上昇していた。現在も継続中。


[考察]◆◆◆(処方名)は
『冷え(低体温)』を主体として起こる『浮腫』
『月経のトラブル(不順・困難)』『疲労感(=貧血様の症状)』等に有効な薬剤である。
一方頻繁に使われるNSAIDは解熱作用(=冷えの増悪作用)を併せ持つため注意。
患者自ら“冷え”の存在を告げない場合も多く、問診で確実に有無を収集する。
ちなみに浮腫がない症例では温経湯(ウンケイトウ)が選択される。


解答





当帰芍薬