薬物乱用頭痛

長引く頭痛 対処法「薬の使いすぎによる頭痛」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2015/03/0305.html


薬の使いすぎによる頭痛とは



頭痛のたびに薬を使い続けていると、
薬の使いすぎで新たな頭痛が起こることがあります。
薬の使いすぎによる頭痛に当てはまるのは、
もともと頭痛持ちで月に15日以上頭痛があり、
頭痛薬を1か月に10日以上のむ状態が3か月以上続いているために、
違うタイプの頭痛が出てきたり、頭痛が悪化した人です。


頭痛薬を使えば痛みは治まりますが、
薬を使いすぎていると、脳などの中枢神経での痛みの感受性が変化し、
少しの刺激でも痛みを感じやすくなります。
その結果、薬がだんだん効かなくなり、むしろ痛みが悪化します。
そして、痛みがあればまた薬を使うという悪循環で、病状はどんどん悪化していきます。


薬の使いすぎによる頭痛が起こるようになると、
自分で対処するのは難しくなります。
上記の診断基準に当てはまると考えられる人は
頭痛外来など専門の医療機関を受診してください。


ほかにも、「薬の効きが悪いのに市販の鎮痛薬をのんでいる」
「鎮痛薬をのむことが習慣化している」という人も、積極的に受診しましょう。


治療の3つの流れ



現在、頭痛専門医では、3つの流れで治療を行っています。
まず大切なのは、病気を理解し、原因となる薬をやめることです。
患者さんに薬の使いすぎで起こる頭痛であることをよく理解してもらい、
納得したうえで原因となる薬の使用をやめてもらいます。


頭痛が起きたときは、今まで使っていた薬とは別の成分の薬を用います。
そのうえで、もともと片頭痛のある人は予防薬を使用して、
薬の使いすぎによる頭痛の頻度を減らします。


予防薬は、抗うつ薬の一種であるアミトリプチンや、
バルプロ酸、プロプラノロールなどを、医師と相談のうえ処方してもらいます。


緊張型頭痛の人は、リラックス法の実践に加え、
病状に合わせて、筋弛緩薬や作用の弱い抗うつ薬抗不安薬などを使用します。
経過がよければ、薬の中止後に替えた頭痛薬の使用回数を減らすようにします。


目安として、片頭痛のある人なら、
頭痛薬の使用を週2回、月8回以下にできれば、ひとまず安心です。
緊張型頭痛の人は、薬を使わず、
リラックス法だけで痛みに対処できるようになれば大丈夫です。