「PM2・5」で心臓発作死も増加

PM2.5」で心臓発作死も増加、英研究
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2930804/10341637

北京、スモッグが発生しているとき(上)と比較的汚染が少ないときの市内


高濃度の微小粒子状物質PM2.5)にさらされた人の間では
心臓発作で死亡する例が激増するとの研究結果が20日
欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)の医学誌
「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル(European Heart Journal)」に発表された。


ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院の
キャサリン・トン(Cathryn Tonne)氏率いるチームは
2004〜07年にイングランドウェールズ
心臓発作を起こして病院へ搬送された患者15万4000人について調査。
退院後3年以上にわたって追跡したところ
調査期間中に4万人近くが死亡していたという。


社会経済的地位や喫煙歴といったPM2.5以外の要因を除外すると
PM2.5にさらされたことと早期の死亡との間に明確な関連性が現れた。
トン氏によれば「1㎥;(立方メートル)の大気中のPM2.5の濃度が
10μg増えるごとに、死亡率は20%上昇していた」。
一方、もしPM2.5の濃度が自然の状態程度だったならば
調査期間中の死者数は4873人、つまり12%程度低かっただろうという。


WHOが定めているPM2.5濃度の環境基準目標は、24時間平均値が
1㎥当たり25μg以下、年平均値が10μg以下だ。


中国の北京では1月、WHO基準のほぼ40倍に相当する
1㎥当たり993μgのPM2.5濃度が観測された。
欧州における血栓症の権威であるミラノ大学
ピエール・マヌッチ(Pier Manucci)教授は
「イタリアだったらPM2.5濃度が100μg前後でも懸念されるのに
北京では1000μgに届きそうな値なのだ。
健康リスク・影響も桁違いだということが分かるだろう」と述べている。


PM2.5 PM2.5 大気汚染