農業強化策

農産物輸出の倍増めざす 競争力会議、TPP視野
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1800W_Y3A210C1MM8000/

政府は18日、産業競争力会議首相官邸で開き、農業強化策の検討に入った。
首相は「農業を成長分野と位置づけて産業として伸ばしたい」と強調。
林芳正農相は農産物輸出の倍増や農地のフル活用を目指す方針を表明した。
TPP交渉への参加表明をにらんだ環境整備で
6月をめどにまとめる政府の成長戦略に盛り込む。


首相は農業について「従来の発想を超えた大胆な対策を講じていきたい」と力説。
若い人たちに魅力的な分野にしていきたい」とも述べ
農業と、流通、ITなど多様な業種との事業提携を政府が後押しする考えを示した。


林農相は
(1)農産物の輸出拡大
(2)農商工連携の強化
(3)農地の有効活用
――の3本柱で農業の競争力を高めると説明した。
4500億円にとどまる農林水産物の輸出額を2020年に1兆円に倍増させるため
2月に発足した農業強化の官民ファンドなども活用して産業間の連携を強める。





競争力会議の民間議員からは、より踏み込んだ農業改革を求める意見が出た。
ローソンの新浪剛史社長、楽天三木谷浩史社長ら5人は連名で改革案を提出。
現在は1戸あたり2ヘクタールにとどまる平均的な農地の規模を
10〜15年で50ヘクタールまで広げたり、減反を段階的に縮小したりすることを求めた。
みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長ら5人も連名で
補助金に依存しない農業を確立すべきだ」と提言した。


農業の生産性向上は農地集約がカギを握る。
ただ農相案は農地集約の障害となっている優遇税制に触れていない。


東大大学院の本間正義教授は
減反の見直しや農協改革などといった課題に切り込む必要がある」と指摘するが
首相が議論の舞台に規制改革会議でなく、競争力会議を選んだのは
TPP反対派や農業団体を刺激しないためだ。


夏の参院選までは「農業の規制改革ではなく、農家にプラスになるテーマ設定」
(政府関係者)を探っており、農業改革に向けた安倍政権の本気度が問われる。