デュロテップ

経皮吸収型の麻薬がはがれそうになったら

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇7

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇7


◆Question

デュロテップパッチを使用してお風呂に入ると
はがれそうになるときがあるのですが
その場合は新しいものを貼ってよいのでしょうか。

◆服薬指導

入浴する際は、長い時間、熱い湯船に浸かったり
熱いシャワーを浴びないように注意してください。
汗をかきにくい場所に貼ったり、貼り替えのタイミングを入浴後にすることも一法です。
パッチは、全体が皮膚面に密着していないと十分な効果が得られません。
はがれそうになったパッチは、再度手の平で押し付けて皮膚に密着させます。
縁を絆創膏やテープで固定しても構いません。
これらを行っても皮膚に密着しなくなった場合は、新しいものに貼り替えてください。

◆解説

デュロテップパッチ(一般名:フェンタニル)は
モルヒネ製剤からの切り替えで使用される強オピオイド製剤である。
72時間一定速度でフェンタニルが放出され、3日ごとに貼り替えて使用する。
モルヒネに比べて便秘や眠気、悪心・嘔吐などの副作用が少なく
使用が簡便なので在宅末期癌患者の疼痛緩和に用いられることが多い。


貼付部位は、胸部、腹部、上腕部、大腿部前面などの観察しやすい部位が適する。
入浴時にはがれやすくなる場合は、発汗を防ぐため熱い風呂に長く浸からない
汗をかきにくい場所に貼る、入浴後に貼り替える、などを指導する。
なお貼付時に30秒間パッチを押しつけたかも確認しておく。


介護者がパッチを取り扱うケースでは
外縁を持ち、内容物を含むゲル部分に接触しないよう注意する。
介護者が誤って粘着部分を触り、副作用が発現したとの報告がある。
接触した場合は、すぐに流水で薬剤を洗い流す。
せっけん、アルコールはフェンタニルの吸収促進剤として働くことがあるため使用しない。