タバコの生涯コスト1600万

プレジデント 2011.8.29号
タバコの生涯コスト1600万! 効果満点の「リセット禁煙」とは
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「君、社長がお呼びだぞ」 上司からこう声をかけられたら、どうだろうか。
喫煙者なら、喫煙ルームに駆け込んで一服することだろう。
タバコはストレス解消の万能薬。一本吸えば落ち着きを取り戻せる。
では、非喫煙者はタバコを吸わずにどうやって気持ちを落ち着けるのだろうか。


山崎氏
「喫煙者はタバコはストレスを解決してくれる戦友だと思っていますが
実は、ストレスを生み出しているのはタバコ自身です。」


「喫煙者は一定時間タバコを吸わないと、イライラしてきますね。
タバコを吸うとこの不快感が瞬時に解消されるので
タバコはあらゆるストレスを解消してくれるすばらしいものだと思い込んでしまう。
しかし、イライラするのはそもそもニコチン切れのせいであり
これはタバコ自体が作り出しているものです」


磯村氏
「ニコチンは強烈な薬理作用で脳のドーパミン神経を刺激し
ドーパミンを無理やり出させます。
ドーパミンは幸福感をもたらす脳内物質ですが
喫煙を続けていると無理がたたってドーパミン神経が弱ってしまい
自力ではドーパミンが出せなくなる。
癒しの脳波であるα波も減少してしまいます。
つまり、タバコを吸っている瞬間にしか幸福を感じられない人間になってしまうわけです」
タバコによって喜びを奪われ、タバコにしか喜びを与えてもらえない。


「一度、自転車の乗り方を覚えると、一生忘れることはありませんよね。
実は、タバコも同じことなんです」


継続的な喫煙によってドーパミン神経が弱り
タバコを吸った瞬間だけドーパミンが出るようになって初めて、
タバコがうまいと感じる。
タバコがうまいと感じる回路が完成した瞬間は、洗脳が完成した瞬間だったわけだ。


一度繋がった回路は一生消えない。
だから、たった一本のもらいタバコで、回路が活性化してし
いとも簡単に禁煙は破られるのだ。


「一生吸わないなんて大目標を立てると、達成感を得にくい。
山登りのように、一合登ったら景色が変わったね
じゃあ次の一合も頑張ってみようと、手の届く範囲内で小刻みな目標を設定し達成する。
こうして、一日一日と禁煙を継続していくのがポイントです」