XELOX + アバスチン

大腸癌フォーラムin沖縄 中外

hotel Royal Orion

【特別講演】

大腸がん化学療法 「症例に学ぶ 薬剤を上手に使いこなすコツとは?」
栃木がんセンター 腫瘍内科 浜本康夫先生



XELOX + アバスチン療法
適応:切除不能進行再発大腸癌


カペシタビン(ゼローダ)Capecitabine
ベバシズマブ(アバスチン)Bevacizumab
オキサリプラチン(エルプラット)L-OHP


有効性はFOLFOX+アバスチンと同等
FOLFOXでは点滴に48時間かかるが、XELOXでは2時間
3週間毎で、患者の負担を大幅に軽減でき、薬剤部の負担軽減にもなる。


副作用の手足症候群で指紋消失することがあり、米国入国が困難

薬剤名  有害事象  イメージ  対策
カペシタビン、フルオロウラシル  手足症候群、粘膜障害  カサカサ  保湿
オキサリプラチン  しびれ  ビリビリ  休薬
イリノテカン  脱毛  ツルツル  可逆性
セツキシマブ  皮膚毒性  ブツブツ  スキンケア
ベバシズマブ  蓄積性なし  ドキドキ  慣れる


がん組織を兵糧攻め


http://www.gsic.jp/cancer/cc_15/acd02/index.html


アバスチンは、血管新生阻害剤と呼ばれる新しいタイプの薬。
がん組織は増殖がはやく、その成長には多くの栄養素が必要となることから
通常の血管からの栄養素だけでは足りないため
新しい血管を誘導し(血管新生)栄養素を補給しようとする。
アバスチンは、血管新生を促進する物質のひとつである
VEGF(血管内皮細胞増殖因子)を阻害することによって血管新生を阻害し
がん組織が栄養素を取り入れる経路を断ち、兵糧攻めにしてその成長を妨げる。
ただし、これだけではがんは生き残ってしまうため
アバスチンは、必ず抗がん剤と一緒に用いることが重要。


また、がん組織には、栄養素を補給するために血管を引き込んだ結果として
異常な血管網が生じており、これによって抗がん剤
がん組織にまで到達しにくくなっている。
アバスチンは、この異常な血管網を整備するはたらきにより
がん組織に抗がん剤を届きやすくさせ、効果が増す。