Homicide

いやあ、今日の裁判はTVドラマのように面白かった。
「殺人」、「死体遺棄」の案件で傍聴席は満員となった。


テレビでは毎晩殺人ドラマがあるが
実際には「殺人」の裁判はめったにお目にかかれない。


緊迫した裁判だった。
被告は42歳男、同棲中の30歳女を電気コードで首を絞めて殺し
宇治川へ投げ捨てたことを認めているが、動機が問題となった。


まずは弁護側の被告に対する質問が40分。
要約すると、被告は同棲中の女と喧嘩となり、
女がコタツの上に置いてあった飲みかけの缶チューハイ
手で払いつけた際、男の顔にぶつかったため
男は激怒し、女の首を電気コードで絞めて殺したと語った。


次に、検察側の被告に対する質問が40分。
検察官=缶にはチューハイはどれくらい残っていたのか?
被告 =口をつけた程度でいっぱい残っていた。2本目だったので
検察官=”手で払った”だけで、口をつけた程度の重たい缶チューハイが飛ぶのか?
被告は”投げつけた”の間違いだったと言い直した。


次に検察官は、
「頭にきたら、普通は殴ったりするものだが
あなたはなぜ、電気コードでいきなり首を絞めたのか?」
被告は「気が動転していた。なぜかわからない。」と答えた。


検察官は更に攻める。
被告は女を殺した1分後に携帯電話のメールを行っていること指摘。
女を殺した後、きわめて冷静だったことが推察され、
最初から殺すつもりだったんじゃないか、と問い詰めた。
男の声はだんだんと小さくなり、
最後のほうはほとんど聞き取れなくなっていった。
そのあたりで時間切れとなった。