一緒くたでないスタチンの糖尿病リスク

一緒くたでないスタチンの糖尿病リスク
カナダ・後ろ向き研究
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1305/1305079.html



JUPITERで
スタチンの服用により糖尿病の発症リスクが増加したことが報告され,
スタチンのリスクと心血管疾患イベント抑制の
ベネフィットをめぐる報告が散見されるようになった。


一方,WOSCOPSでは
スタチンの服用により糖尿病のリスクは減少している。
そのような中,今回,
カナダ・トロント総合病院のAleesa A. Carter氏らが報告したのは,
同じスタチンでも糖尿病発症リスクに差があるというものだ
BMJ 2013; 346: f2610)。
高齢の新規スタチン投与例で糖尿病未発症例を対象にした後ろ向き研究から得られた。


◆カナダの4つのデータベースを利用
欧米では近年,スタチンによる糖尿病発症リスクの増加が
添付文書などの公的文書に記載されるなどの措置が講じられている
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1209/1209036.html
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1202/1202081.html


ちなみにプラバスタチンについては,FDAは添付文書改訂を指示していない。


Carter氏らは,1997年8月〜2010年3月にカナダオンタリオ州
スタチンを投与された66歳以上の高齢者について,
新規の糖尿病発症を後ろ向きに評価した。


各薬剤の内訳は,
プラバスタチンは3万8,470例(平均年齢73.04歳,男性44.6%,既往歴:心疾患56.5%,急性冠症候群31.8%,慢性冠動脈疾患47.8%,一過性脳虚血発作13.8%),
アトルバスタチンは26万8,254例(同73.97歳,46.1%,53.4%,31.5%,45.3%,16.1%),
フルバスタチン・lovastatinは1万1,923例(同72.83歳,40.5%,47.1%,26.1%,41.9%,12.0%),
ロスバスタチンは7万6,774例(同73.24歳,46.0%,39.3%,19.1%,32.0%,12.3%),
シンバスタチンは7万5,829例(同73.80歳,46.7%,57.4%,35.4%,50.2%,16.1%)であった。


◆プラバスタチンよりリスクが高い薬剤は有効性高い
14年以上の期間に糖尿病を新規に発症したのは47万1,250例であり,
そのうち心血管疾患の初発予防の目的でスタチンを服用していたのは
22万7,994例(48.3%),再発予防目的では24万3,256例(48.3%)だった。


薬剤別に1,000人・年当たりの糖尿病発症率を見ると,
アトルバスタチンは30.70例,ロスバスタチンは34.21例であり,
いずれもプラバスタチンの22.64例に比べて多かった。


一方,1,000人・年当たりの糖尿病発症率がプラバスタチンに近かったのは,
シンバスタチン(26.22例),フルバスタチン(21.52例),lovastatin(21.80例)
の3剤であった。


プラバスタチンを1とした場合の各スタチンにおける
新規糖尿病発症の補正後ハザード比(HR)を求めたところ,
アトルバスタチンは1.22(95%CI 1.15〜1.29),
ロスバスタチンは1.18(同1.10〜1.26),
シンバスタチンは1.10(同1.04〜1.17)と,
いずれもリスクが有意に上昇していた。


しかし,フルバスタチン(補正後HR 0.95,0.81〜1.11),
lovastatin(同0.99,0.86〜1.14)では,
リスクの有意な上昇は認められなかった。


Carter氏らは,高齢者において
スタチン投与の目的が心血管疾患の初発・再発予防のいずれにかかわらず,
糖尿病発症のリスクになることを指摘したが,同じスタチンでも
より有効性の高い薬剤ではそのリスクもより高いとしている。

Sell in May and go away

5月売り―相場格言からの上放れは可能か?
http://www.nli-research.co.jp/report/researchers_eye/2013/eye130530.html


ウォール街でよく知られた株式市場にまつわる格言に、
“Sell in May and go away(5月に株を売れ)”というものがある。
イギリスで生まれた“Sell in May and go away, don’t come back until St.Leger day.
(5月に株を売って、9月まで戻るな!)”がオリジナルとされる。


遠い昔かつ英米での格言であるため、
日本には当てはまらないのでは?とも考えられる。


しかし、ヘッジファンドの多くが決算期である5月に利益確定の株式売りに動くことが、
5月の株価下落の可能性を高めているとの近年の解釈を踏まえると、
グローバル化が進んだ現在においては、あながち日本の株式市場も
”Sell in May and go away”とは無縁ではないのではないかとも思える。


実際、2010年5月以降の過去3年間の日経平均の推移を振り返ると、
いずれの年も5月は4月末比で下落し、夏場から秋口にかけて下落トレンドを辿る、
もしくは、停滞していたことを見て取れる。こうした格言をなぞるような季節性は
NYダウでも同様に見られる。


セルインメイ
SellinMay