たばこ:貧しい人の健康を損わせて、さらに貧しくさせてしまう

低収入ほどたばこで病気に?喫煙が「格差問題」と化した理由
https://diamond.jp/articles/-/319106

アメリカで盛り上がる「たばこ排除」、背景に貧困の連鎖

疾病対策センター(CDC)の最新世論調査によれば、
米国の成人の半数以上が全たばこ製品の販売禁止に賛成しているという。
多くのアメリカ人が問題視しているのが、
貧しい人の健康を損わせて、さらに貧しくさせてしまう
という「格差拡大」の恐れがあるからだ。
実はアメリカのタバコ市場の約3分の1を占めている「メンソールたばこ」は、
アフリカ系アメリカ人低所得者層の喫煙率が非常に高い。
これは「たまたまこの層にハマった」からではない。
あえてターゲットにされているのだ。
「たばこ製品、特にメンソールたばこについては、
若者や人種的・民族的少数者、低所得層、性的少数者に向けて
偏った宣伝が行われていることが、研究で示されている」(CNN.co.jp 23年2月3日)
また、この「メンソールたばこ」は多くの国で禁止されていることからもわかるように、
一度吸ってしまうと、なかなかやめられないという高い中毒性がある。
そこに加えて、未成年者が手を出しやすい。

なぜ低学歴の人ほど受動喫煙にさらされるのか

厚生労働省が習慣的に喫煙している人の割合を調べたのだが、
2019年度に喫煙している男性の割合を世帯年収別に見てみると、
年収600万円以上が27.3%、
年収400~600万円未満で29.4%、
年収200万円未満では34.3%だった。
年収が低くなるにつれて喫煙率が高くなっており、
ワーキングプア男性の3人に1人はスモーカーなのだ。