ダイエットにいい油

ダイエットにいい油、悪い油
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0500P_V00C13A2000000/



「体の代謝を活発にして脂肪細胞の増加を抑制する、やせるのに向いた油もあります。
ダイエットを考えるなら、油の性質を見極めて良い油を選ぶことが大切です」
と、脂質代謝に詳しいエミリオ森口クリニック院長の板倉弘重さんは言う。


オメガ3系は
α-リノレン酸の多い亜麻仁油エゴマ油などがその代表で
生活習慣病の予防も期待される油の優等生だ。
オメガ6系は
大豆油、コーン油などのリノール酸で料理によく使われる。
オメガ9系は
オレイン酸の多いオリーブ油、菜種油などで、酸化しにくい特徴を持っている。


こうした油の性質を理解した上でダイエットに最も適した油といえるのが
新鮮なオリーブを圧搾して作ったエクストラヴァージンオリーブオイルだ。


「このオリーブオイルには抗酸化作用の強いポリフェノールやオレウロペインが
豊富に含まれ、体内で脂肪細胞が増加するのを抑制してくれます」(板倉さん)。
しかも加熱に強く、炒め料理にも重宝するという。


では、普通のオリーブ油ではどうか。
「精製したオリーブ油では、ポリフェノールなどオリーブの有効成分が
取り除かれてしまうので、ダイエット効果はあまり期待できません」(板倉さん)。
オリーブ油でやせたいなら、ラベルの確認が重要なようだ。





亜麻仁油エゴマなどオメガ3系脂肪酸も、やせるにはよい油だ。
「オメガ3系脂肪酸は、血液中の中性脂肪の増加を抑え
血圧を下げる効果もあり、メタボを気にする人には最適といえます」。


ただし、熱を加えるとすぐに酸化してしまうので冷蔵庫で低温保存し
ドレッシングに使うなど生食で
取りたい。


動物性脂肪より、植物油のほうが健康によいとされていた時代もあった。
だが、現在では植物油のなかでも、コーン油、紅花油などに含まれる
リノール酸の取りすぎは、肥満につながり健康にもよくないことが分かってきている。


リノール酸は、体内でアラキドン酸から
プロスタグランジンというホルモン状物質に変化し、炎症反応を強くします。
つまりアラキドン酸が増えると、脂肪細胞に酸化を起こし
その酸化が脂肪細胞をさらに増やす悪循環に陥る。
心疾患や動脈硬化の要因にもなるので、リノール酸の取りすぎは要注意です」。


かつてバターよりも太らないといわれたマーガリンも
実はダイエットには不向きな油の代表格だ。
「マーガリンは製造過程で、脂肪細胞に酸化を起こして
肥満の原因になりやすいトランス脂肪酸が発生します。
トランス脂肪酸の多いマーガリンを使うのなら、動物性脂肪のバターをお勧めします」。
トランス脂肪酸心筋梗塞などの要因にもなるため
最近はトランス脂肪酸を減らしたマーガリンも売られている。


いくらやせるのにいい油であっても、取りすぎはカロリーオーバーのもと。
1日にティースプーン2杯程度を目安に上手に摂取したい。


〜板倉さんの油選びのポイント〜
1 脂肪酸の種類をチェック!加熱用か生食用か?
 主成分がどんな脂肪酸なのかを確かめたい。
熱に弱いα-リノレン酸を炒め物などに使っては、やせる効果も薄れてしまうからだ。


2 できるだけ加工や添加物のないものを選ぶ
 加工された油や添加物の加えられた油は、本来の植物の有効成分が除去されたり
変質したりしていることも少なくないので注意したい。


3 酸化は大敵! 鮮度の良い油を選ぶ
 油には酸化すると成分が変質して、脂肪細胞の増加を促進させるものもある。
酸化に弱い油は冷蔵保存して早めに使い切ることが大切。