医師の8割、治療に使用

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漢方薬(1) 医師の8割、治療に使用  :日本経済新聞


漢方薬は中国が起源ですが、中国では伝統医学を中医学と呼び、漢方といっても通じません。
5〜6世紀に日本に伝来し、独自の発展を遂げてきました。
江戸時代に蘭学と区別するため漢方という言葉が生まれました。
古くから伝わるという点では民間薬もありますが、これは口伝えで伝承されてきたもの。
漢方薬は原典がはっきりしており、この点が大きく違います。


明治政府は漢方薬を否定し、漢方医に医師免許を与えませんでした。
日本では現在も医師免許は1つですが
中国や韓国では西洋医学と伝統医学で医師免許がわかれています。


だからといって日本にとってマイナスではありません。
西洋医学と漢方を併用し、患者の治療にあたることができるからです。
2008年の調査によると、全国の医師の83.5%が、漢方薬を日常的に治療に取り入れています。


漢方薬は風邪や高血圧、関節痛から不眠症まで様々な病気に対して使われます。
医療用としては、江戸時代の医師、華岡青洲が考案した軟こうを含め148種類。
最も古いのは葛根湯などで、1800年前の古典「傷寒論(しょうかんろん)」に記載されています。
一番新しいのは、医療漢方の父、大塚敬節が考案した血圧を下げる「七物降下湯」。
約60年前に開発されました。
(渡辺賢治先生・慶応義塾大学漢方医学センター診療部長)