酒さ

《医療相談》顔に赤み、吹き出物も 
回答・末木博彦先生 昭和大学藤が丘病院皮膚科教授(横浜市青葉区
http://www.asahi.com/health/doushimashita/TKY201110270288.html



66歳女性。
1年ほど前から、顔が赤みを帯びてきました。
ニキビのような吹き出物も目立ちます。病院で診てもらったところ
「酒(しゅ)さ」と診断されました。

    

Q どんな病気ですか

A 鼻やほお、額などに、火照りを伴う赤みが広がるのが特徴です。
化粧品などの刺激でヒリヒリとした痛みを感じる人もいます。
悪化すると、ニキビのようなブツブツや膿疱が見られます。
毛細血管の拡張や収縮がうまく調節できない体質が関係していますが
根本的な原因はわかっていません。

Q 年齢に傾向はありますか

A 中高年に多く見られます。
女性の場合、閉経後に、発症したり悪化したりする傾向があります。

Q 治療法は

A 残念ながら根本的な治療法はまだなく、今のところ症状を和らげるしかありません。
テトラサイクリン系などの抗生物質を飲み続けると、効き目が表れることがあります。

Q 効果的な塗り薬はありませんか。

A 抗生物質の塗り薬を併用することもあります。ステロイド薬は、通常は使いません。
塗ると、炎症が鎮まり、一時的にはよくなったように見えますが
毛細血管を拡張する作用があるため、病気自体をかえって悪化させる心配があるためです。

Q 日常生活で気をつけることは。

A 急激な温度変化、日光、アルコール、香辛料などの刺激物
ストレスなどは症状を悪くする要因と考えられています。
無理のない範囲で避けるようにしてください。
完治しにくい病気ですが、症状をよい状態にコントロールすることは可能です。
ニキビや湿疹かと思い、見過ごされがちですが、早めに皮膚科の専門医を受診してください。