グラケー

C型肝炎患者に出されたビタミン剤
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇7

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇7


◆Question

65歳男性
C型肝炎でしばらく入院していました。
この前退院したのですが、週に1回、外来で注射を打ちに来るように言われています。
今日、先生から「ビタミン剤を一つ追加しておきます」と説明を受けたのですが
どうして注射しているのに、こんなに薬を飲まなくてはならないんですか。
ビタミン剤が肝炎に効くんですか。


《処方せん》
ウルソ錠100mg 6錠 
グラケーカプセル15mg 3カプセル
1日3回 毎食後服用 14日分


レベトール200mg 4カプセル
1日2回 朝夕食後服用 14日分


*今回からグラケーが追加となった。

◆服薬指導

C型肝炎には二つの治療法があります。
一つがインターフェロンの注射です。
インターフェロンの注射は、病気のタイプによっては
レベトールを一緒に飲むことで効果が格段に高まることがわかっています。


もう一つが、ウルソなどを飲んで肝臓を保護する肝庇護療法と呼ばれるものです。
インターフェロンによる治療は必ず成功するというわけではありませんので
肝炎がひどくならないように肝庇護療法も併せて行っているのです。


今回から出たグラケーはまた別の目的で処方されています。
グラケーは肝癌の発生を予防する効果があるといわれています。

◆解説

ビタミンK2が肝癌を抑えるメカニズムの詳細は不明だが
ビタミンK2の癌細胞増殖抑制作用、分化誘導・アポトーシス誘導能などが
複合的に関与していると考えられている。