こむら返り

糖尿病の可能性も こむら返り、続く時は注意
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運動時に起こるこむら返りは、筋肉の疲労や、発汗などによる脱水で
血液中の電解質のバランスが崩れ、筋肉自体の過敏性が高まって痙攣するもの。
冷えなどの血行障害で筋肉に老廃物がたまり、十分な栄養を補給できないことも引き金となる。


一方、神経に原因がある場合には、何らかの障害を受けた神経が
筋肉に異常な信号を送り、過剰に筋肉が収縮して起こると考えられている。
糖尿病でこむら返りが起こるのは、このタイプ。
糖尿病で起こる場合、就寝中の明け方など、安静時が多いのが特徴。


「血糖値が高い状態が続くと、末梢神経に小さな傷がつき、刺激が起こる。
糖尿病の三大合併症の一つに神経障害があるが、こむら返りもこの一つ。
糖尿病患者の多くが訴える」
(東京都済生会渋谷診療所 松岡健平先生)


糖尿病と同様に、こむら返りが多く表れるのが、腰部脊柱管狭窄症。
背骨にある神経を包む管である脊柱管が狭くなり
神経が圧迫されて様々な症状が出る病気で、50歳以降で多い。


「脊柱管狭窄症患者に行った調査では、約7割にこむら返りを認め
夜間就寝中に起こるケースが7割以上で、頻度は数日に1回が最も多かったという報告がある」
(脊椎脊髄外科が専門の国際医療福祉大学三田病院 福井部長)


このほか、女性に多い甲状腺機能低下症でも、こむら返りを起こす。
「手足の冷えも訴える人では、甲状腺機能低下症だったケースが少なくない」
(青山稲木クリニック 稲木一元院長)


芍薬甘草湯が効く理由は明らかではないが、芍薬の筋肉を弛緩させる作用と
甘草の血行を改善し炎症を抑える作用の効果だと考えられている。
ただし、甘草を多量に長期間使い続けると
血中のカリウム濃度が下がる副作用が出る恐れがあるので、漫然と服用するのは避けたい。
[日経プラスワン2010年12月4日付]