アスピリン + イブプロフェン


http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変

◆Question

脳梗塞から回復した男性が、処方せんを持って薬局を訪れ
再発予防のために処方されたバファリンについて、次のような質問をしました。


「今日、先生からバファリンを出されたんですが、普段から頭痛持ちで
 市販のナロンエースが手放せません。バファリンも鎮痛剤ですよね?
 頭痛が出たら、これまで通りナロンエースを飲んでも大丈夫でしょうか?」

処方箋
バファリン81mg錠 1錠
 分1 朝食後 30日分


◆Anser

バファリンは鎮痛剤ですが
少量を服用することで、血を固まりにくくする作用もあります。
このため、脳梗塞の再発予防のために使われています。


ナロンエースバファリンと一緒に飲むと
血の固まりを防ぐ作用を弱めてしまうことがわかっています。


ただし、バファリンを朝飲まれてから、2時間以上経った段階で
ナロンエースを1日1回飲む程度でしたら、影響はありません。


もし、バファリンを飲む前後に頭痛が出てしまった場合や
1日1回では我慢できないという場合は、ナロンエースは避けて
別のお薬を飲まれた方がいいでしょう。
アセトアミノフェンならバファリンの作用を邪魔しません。

◆解説

アスピリンの抗血小板作用が
ナロンエースなどに含まれるイブプロフェンの併用により阻害され
心血管イベントによる死亡率が有意に増加することが報告されている。


ただし、バファリンの服用後2時間から数時間の間に
ナロンエースを単回服用する程度であれば
連日服用しても抗血小板作用には影響しないと思われる。


頻回の頭痛で、どうしても1日複数回服用したい場合は
代替薬として、アスピリンの抗血小板作用に影響しない
アセトアミノフェンなどを主成分とするOTCを勧める必要がある。

バファリンの添付文書より

《 併用注意 》
イブプロフェン
本剤の血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。
イブプロフェンが血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と
本剤の結合を阻害するためと考えられる。

関連
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/232057.html