小半夏加茯苓湯

ツムラ漢方スクエア 私の漢方診療日誌
『つわりだけじゃない!小半夏加茯苓湯 化学療法中の難治性嘔気・嘔吐に奏効』
大阪大学大学院医学系研究科 漢方医学寄附講座 岸田友紀先生
http://www.tsumura.co.jp/password/magazine/129/rensai2.htm



◇症例
57歳女性。
大腸がんが、骨盤内臓器に転移しており、化学療法を受けていた。
初診時は、化学療法を受けてから3日が経過しており
待合室から診察室へ支えられながら移動するのがやっと、という状態であった。
「化学療法を受けた日から5日ほどは吐き気がひどくて、食事がとれません。
家ではずっと横になっているのですが、あまりにも気持ちが悪くて眠れません」
小半夏加茯苓湯 (ショウハンゲ カ ブクリョウトウ)を処方した。
3週後、化粧も施され、姿勢もピンとのび、まったく別人のようだったのである。
「3日前に、また化学療法を受けました。初日だけ吐き気はありましたが
そうめんなどは食べることができました。
2日目からは、まったく吐き気もなくて、起きて家事をすることができました」


◇まとめ
二日酔いなど、多量の水を一回にパッと吐く症例に五苓散 
つわりなど、何回もすこしずつ吐いて、吐いた後も悪心が残る症例に、小半夏加茯苓湯