COPD

NHKきょうの健康」 より
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archive/2010/0823/index.html
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archive/2010/0825/index.html

COPDとは?




息切れの原因として
心臓の病気より、呼吸器の病気のほうが多いとわかってきました。
そのなかで最も多いのが「COPD(慢性閉そく性肺疾患)」で
日本に500万人の患者さんがいると言われています。
COPDは主に喫煙が原因ですが
受動喫煙や、特定の化学物質を長期間吸うことも危険を高めます。
進行すると呼吸ができなくなり、命にかかわることもあります。

主な症状と発症の仕組み




「かぜでもないのに、長期にわたり、せきやたんが出る」
「動くと息切れがする」といった症状がある場合、COPDが疑われます。
これらの症状は、たばこの煙などに含まれる有害物質によって
肺に炎症が生じた結果、起こります。
炎症は、空気の通り道である「気管支」や
気管支の末端で酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)を行っている「肺胞」で起こります。
肺胞が炎症によって壊れると、ガス交換が十分に行われなくなります。
また、気管支と肺胞の炎症が進むと、空気が流れにくくなり、息切れが起こります。
また、十分に空気を吐ききれないうちに次の空気を吸ってしまい、肺が徐々に膨張してきます。

肺年齢を知ることが重要




「肺年齢」は、その人の肺の老化の状態を表すもので
「スパイロメーター」という器具を使った肺機能検査によって調べます。
肺機能は加齢とともに誰でも低下しますが、実年齢よりも肺年齢が極端に高い場合は
COPDをはじめ、ぜんそくや肺炎などの呼吸器の病気が疑われます。
したがって、肺年齢を調べれば、息切れやせきなどの自覚症状がない場合でも
呼吸器の病気の早期発見につながります。
COPDは、胸部エックス線撮影などの画像検査では
早期の病態がわかりにくい場合がありますので
「40歳以上」で「喫煙歴がある人」は
パイロメーターによる検査で肺年齢を調べることが大切です。

重症度に合わせて必要な治療を




COPDの主な治療には
「禁煙」「ワクチン接種」「薬物療法
「呼吸リハビリテーション」「酸素療法」などがあります。
治療に大切なのは、まず禁煙。
喫煙は肺機能の低下のスピードを速めますが、禁煙をすれば
肺機能の低下速度はその時点からたばこを吸わない人と同程度になります。
「ニコチン依存症」の場合は、禁煙外来の受診や、禁煙補助薬がすすめられます。
薬物療法の基本は、気管支を広げる作用がある「気管支拡張薬」です。
多くは口から吸いこむ吸入薬です。
初期には、必要なときに短時間作用性の気管支拡張薬(抗コリン薬・β2刺激薬など)を用い
進行したら症状に合わせて薬を追加していきます。