葛根湯と解熱剤を併用しても大丈夫?

日経新聞 漢方道場
北里大学東洋医学総合研究所所長 花輪壽彦先生
http://www.nikkei.com/life/health/page/p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E2EBE1


風邪で近くの内科にかかったところ、葛根湯と解熱剤が処方されました。
薬剤師の妹がその組み合わせは問題だというのですが……。

妹さんの指摘は正しく、葛根湯と解熱剤の併用は間違っています。


現代医学では風邪の発熱は治療対象となる症状の一つと考えるので解熱剤が出されます。
ところが漢方医学では炎症の初期の発熱はむしろ生体防御ととらえ
体を守るための理にかなった反応と理解します。
体温が少し高い時の方が、免疫力がアップすることは現代医学でもよく知られています。


38度台までの発熱は病原体を排除する免疫の作用が高まります。
そこで体はぶるぶると悪寒して発熱し、早く病原体を除去しようとします。


葛根湯は風邪の初期に用いて、この熱産生の力を高めるように働きます。
服用すると一時的にさらに熱があがり、病原体を除去すると汗が出て解熱し快方に向かいます。
この時期に消炎解熱剤を併用すると葛根湯の作用が阻止されてしまいます。