蕁麻疹にレセルピン ?

日経メディカル8月号
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t055/200908/511944.html&di=1


自治医大さいたま医療センター皮膚科教授の出光俊郎氏は
ヒスタミン薬やステロイドなどが効かない難治性の蕁麻疹に
レセルピン0.3〜0.4mgを追加投与し、著効した症例を複数経験している。


以前、出光氏は多剤耐性蕁麻疹と蕁麻疹様血管炎の患者19人を対象に
レセルピンを投与したところ、13人に著明な改善が認められ
5人に有効だった、と報告した。


レセルピンは投与して1〜2週間、早ければ3日ほどで
膨湿や皮膚そう痒感が驚くほど改善してくるという。


そのメカニズムとして
レセルピンは肥満細胞由来のセロトニンを枯渇させるなど
肥満細胞を介して作用すると考えられている。


レセルピンの蕁麻疹に対する保険適用はないが、その歴史は古い。
40年以上前に、有効性を記述した論文が発表されている。
(アレルギー1962;11:396-7、400.)


≪症例≫
難治性の蕁麻疹にレセルピンを投与し、著効した57歳男性


≪現病歴および治療経過≫
5〜6年前から紅斑、膨疹が体幹を中心に出現。皮疹は半日以上持続する。
近医を複数受診し、エピナスチン、アゼラスチン、オロパタジンをはじめとした
あらゆる第2世代抗ヒスタミン薬を単剤または併用したが無効で、来院の2カ月前から
メチルプレドニゾロンの併用を開始。
エバスチンとアゼラスチン、メチルプレドニゾロン15mg/日でそう痒はやや改善したが
皮疹はほぼ毎日出現していたため、当院を受診した。


レセルピン0.2mg/日を追加で投与したところ、2週間後にはそう痒、皮疹は消失し
メチルプレドニゾロン、抗ヒスタミン薬を漸減することができた。
以後症状は出現していない。