妊娠中の喫煙と先天異常リスク
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1107/1107038.html
ロンドン大学のAllan Hackshaw氏らは
妊娠中の喫煙と児の先天異常発症リスクの関連について
172報,1,100万例以上を包括した,これまでにない規模のシステマチックレビューを実施。
それによると,妊娠中に喫煙していた女性では
そうでない女性に比べ,多岐にわたる先天異常リスクの有意な上昇が見られたという。
Hackshaw氏らによると
英国では17%,米国では14%の女性が妊娠中も喫煙を続けているとの報告があるという。
妊娠中の喫煙は胎盤などへの血流減少をもたらし
胎児の発育遅延や低出生体重に関連するといわれている。
しかし,妊娠中の喫煙と先天異常の関係については今のところ明らかになっていない。
解析の結果
妊娠中も喫煙していた群における先天異常のオッズ比(OR)は
心血管あるいは心臓の欠損 | (1.09,95%CI 1 .02〜1.17) |
筋骨格系の欠損 | (1.16,1.05〜1.27) |
四肢形成不全 | (1.26,1.15〜1.39) |
欠指あるいは多指 | (1.18,0.99〜1.41) |
内反足 | (1.28,1.10〜1.47) |
頭蓋骨癒合 | (1.33,1.03〜1.73) |
顔面欠損 | (1.19,1.06〜1.35) |
眼の異常 | (1.25,1.11〜1.40) |
口唇・口蓋裂 | (1.28,1.20〜1.36) |
胃や腸の欠損 | (1.27,1.18〜1.36) |
腹壁破裂 | (1.50,1.28〜1.76) |
鎖肛 | (1.20,1.06〜1.36) |
ヘルニア | (1.40,1.23〜1.59) |
停留精巣 | (1.13,1.02〜1.25) |
で有意に上昇していた。
同氏らは今回の大規模かつ包括的な検討から、妊娠中の喫煙が
主要な先天性欠損の多くに関連する重要な危険因子であることが示されたと結論。
妊娠前,あるいは早期の禁煙指導が必要なほか
妊娠女性に対するガムやパッチによるニコチン置換療法も考慮する価値がある
と述べている。
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