半夏瀉心湯

疲れた胃に何の漢方薬を処方する?
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kanpo/201101/518057.html
新見正則先生(帝京大外科准教授、愛誠病院漢方センター長)

年末年始の暴飲暴食で胃が疲れている方もおられるのではないでしょうか?
そんな場合に僕がまず処方を考えるのは、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)です。


消化不良やげっぷ、胸焼けといった上部消化器症状だけでなく、下痢や肩凝り
イライラ、寝不足などにも有効で、実際処方すると意外な症状がついでに治ったりします。

 
また、半夏瀉心湯が良いのは
H2ブロッカーPPIなどを服用している人にも併用して処方できることです。


半夏瀉心湯はがっちりとして体の強い、いわゆる実証タイプの患者さん向けの漢方薬です。
半夏瀉心湯ではちょっと強すぎるかな、という場合には
安中散(あんちゅうさん)を処方するようにしています。


半夏瀉心湯と同じように胸焼けや胃炎、吐き気などに効果があります。
また、口角からつばが出るなど、明らかに虚弱そうな虚証タイプの患者さんには
人参湯を処方します。


半夏瀉心湯の欠点は、苦くて飲みにくいだけです。
まず半夏瀉心湯を考慮して、明らかに弱々しいと感じれば、安中散や人参湯から処方しましょう。