ジゴキシン

笹嶋勝「クスリの鉄則」
ジゴキシン:高齢者では0.25mg/日を超えていたら疑義照会を
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201002/514218.html


ある薬剤師から
「初回の患者にジギトキシン1mg/日が30日分処方された。
疑義照会したところ、『指示通りでよい』との返答であった。
急速飽和療法の用量の範囲内であるが、問題ないか」との相談を受けました。


この用量は、急速飽和療法では常用量ではありますが、長期処方でもあり
誤処方の可能性が高いことを伝え、再度、同じ医師に疑義照会を行いました。
その結果、10倍量の誤処方であったことが判明しました。


ジギタリス製剤は、調剤過誤や処方過誤の見逃しにより
取り返しのつかない事故を起こす可能性がある薬剤です。


調剤薬局であれば、急速飽和療法の処方せんを受け付けることは通常ないはずなので
どんなに多くても「維持量の最大量」を超えることはないと考えましょう。
それよりも多ければ、迷わずに処方鑑査した方が安全です。


さらに高齢者においては、腎機能が下がっていることが多いので
ジゴキシンやメチルジゴキシンラニラピッド)を維持量の最大量
ジゴキシンなら0.5mg、メチルジゴキシンなら0.2mg)使うことすらまれです。
ジゴキシンを例にとると
(1)添付文書の維持量は多すぎる
(2)特に薬局では高齢者には0.25mgを越えたら疑義照会するように
──と、私は後輩に指導しています。

 
なお、透析を必要とするような、腎機能が著しく低下した患者には
代謝型のジキトシキン(商品名:ジギトキシン)を用いることがあります。