妊娠初期のメトクロプラミド投与は安全
先天性奇形、低出生体重、周産期死亡の有意な増加見られず
イスラエルのIlan Matok氏らは、大規模コホート研究を行い
妊娠初期の投与が胎児に悪影響を及ぼさないことを明らかにした。
米国とカナダでは、妊婦に対する制吐薬として
ピリドキシン(ビタミンB6)とドキシラミン(抗ヒスタミン薬)が用いられており
最も重症な症例にのみメトクロプラミドが投与される。
欧州の一部とイスラエルでは主にメトクロプラミドが妊婦に投与されているが
この薬剤の適応症には妊娠中の悪心と嘔吐は含まれておらず
妊婦に対する安全性に関する評価は十分に行われていなかった。
そこで著者らは大規模コホートを対象に
妊娠初期(13週まで)のメトクロプラミド曝露が
胎児に及ぼす影響を調べる後ろ向き研究を行った。
試験期間中に11万3612人の単生児が出生していた。
Clalit Health Serviceに加入している母親から生まれた新生児は
8万1703人(71.9%)だった。
うち3458人(4.2%)は妊娠初期にメトクロプラミドに曝露していた。
曝露期間の平均は7.2±5.4日(1日用量が30mg)だった。
結果はほとんど変化しなかった。重症奇形のサブクラスごとに比較しても
メトクロプラミド曝露群に、有意なリスク上昇は見られなかった。
原題は
The Safety of Metoclopramide Use in the First Trimester of Pregnancy
reference
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/200906/511269.html&di=1
http://content.nejm.org/cgi/content/short/360/24/2528