頭痛 呉茱萸湯と五苓散

処方せんを読む 漢方編 講師:松田史彦先生
日経ドラッグインフォメーション2008年11月号


冷えで悪化する片頭痛に呉茱萸

茱萸湯(ごしゅゆとう)の呉茱萸
ミカン科の未成熟果実で非常に苦味が強いのですが
強い温熱作用と鎮痛作用を持っています。
茱萸と生姜(しょうきょう)で温めながら痛みと吐き気を取り
人参と大棗(たいそう)で胃腸の働きを高める処方です。
片頭痛の前兆期には血管が収縮していて、漢方でいう「お血」の状態にあり
前兆期に飲むのが有効。ただしかなり苦いということは説明しておきましょう。


片頭痛、冷えと吐き気は呉茱萸


湿気で悪化する頭痛に五苓散

五苓散(ごれいさん)は漢方では有名な利水剤です。
緊張性の頭痛によく用います。
雨の前日の頭痛に有効性が高いという研究データがあります。
移動性の低気圧による気圧の変化が、頭部の筋肉局所の水毒を形成し
頭痛をおこすのだろうと推定されています。
本格的に痛む前に飲むよう勧めてください。


雨前日、湿気の頭痛に五苓散