選ばれし者たち

薬局を訪問する各社のMRを対応する係になった。


離島に来るMRは50を過ぎて、
くたびれたオッサンが多い。
オッサンMRは、加齢臭とポマード、
ヤニと歯槽膿漏が混ざった臭いがして
2,3分も喋ると嫌になる。


彼らは50を過ぎても、課長にならず
離島を回っているわけだから
まったく役に立たない連中だと言っていい。


優秀なMRは大学病院などの激戦区の担当に抜擢され
市場が小さいエリアの担当は
新人かダメMRの担当となるのが常である。
つまり、離島の担当MRは
選りすぐられた最下層のクズMRというわけだ。


僕の使命は彼らから薬剤情報を得ることであるが
オッサンMRはまともに薬の説明ができない。


薬の情報を得るには
彼らに尋ねるのはむしろ時間の浪費で
本社に電話するのが正確で迅速であろう。


ならば彼らに会う必要も無いわけだ。