モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)

コロナ初の経口薬、使用上の注意点・入手法は
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経口のRNAポリメラーゼ阻害薬、入院・死亡リスクを約30%低

モルヌピラビルはRNAポリメラーゼ阻害薬で、
新型コロナウイルスSARS-CoV-2)におけるRNA依存性 RNAポリメラーゼに作用することにより、
ウイルスRNAの配列に変異を導入しウイルスの増殖を阻害する。

副作用として、
下痢、悪心などの胃腸障害、浮動性めまい、頭痛などの神経系障害が1%以上5%未満と報告された。
頻度はさらに少ないが、発疹、蕁麻疹などの皮膚および皮下組織障害が1%未満で認められ、
頻度不明だが中毒性皮疹の出現が報告されている。

対象は61歳以上、活動性のがん、CKD、COPD患者、糖尿病など

モルヌピラビルの投与が考えられる対象者については、
①61歳以上
②活動性のがん(免疫抑制または高い死亡率を伴わないがんは除く)
③慢性腎臓病(CKD)
慢性閉塞性肺疾患COPD
⑤肥満(BMI 30kg/m2以上)
重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患または心筋症)
⑦糖尿病
ダウン症
⑨脳神経疾患(多発性硬化症ハンチントン病、重症筋無力症など)
⑩コントロール不良のHIV感染症およびAIDS
⑪肝硬変などの重度の肝臓疾患
⑫臓器移植、骨髄移植、幹細胞移植後

妊婦には禁忌、妊娠可能な女性は投与中に避妊を

妊婦や妊娠している可能性のある女性には投与禁忌となったが、
これは動物を用いた非臨床毒性試験において、
胎児の体重減少、流産、奇形などの胎児毒性が報告されたことを踏まえたもの。
授乳婦に対しては、
「治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること」
とした。
なお、臨床試験では参加者に対しては、
服用中および服用後4日間の避妊を行い、授乳を避けることが指示されていた。
そのため、添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意」として、
生殖能を有する者、具体的には妊娠可能な女性に対しては、
「投与中および最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること」と注意喚起が行われている。

発注から1~2日で納品可能に

対応薬局は、厚労省が供給を委託したMSDが開設した「ラゲブリオ登録センター」への登録が必要で、
同センターを通じて配分依頼するよう求めた。