潰瘍性大腸炎

便に白い粘液が混じり、血便が出る!潰瘍性大腸炎
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潰瘍性大腸炎は、
大腸の粘膜に炎症が起こり、潰瘍ができる病気です。
現在のところ、完全に治すことは難しいとされており、
国の指定難病の1つです。
潰瘍性大腸炎の原因ははっきりとはわかっていませんが、
免疫の異常と関係があると考えられています。
大腸には、食べ物と一緒に細菌やウイルスなどの異物も入り込んできます。
それらを排除するため、免疫細胞が大腸の壁のすぐ内側に密集しています。
潰瘍性大腸炎では、免疫の働きが異常になり、
大腸の壁に集まっている免疫細胞が過剰に反応して
正常な組織まで傷つけてしまうのです。
また、さまざまな物質が大腸の粘膜を刺激することで、
炎症が続くようになります。

潰瘍性大腸炎の初期には炎症によって腸液がたくさん分泌されます。
加えて粘膜には白血球が集まり、白い粘液となって、
粘液の混じった粘液便が排泄されるようになるのです。
また、進行して炎症が広がると、
粘膜から出血し、血便が出るようになります。

潰瘍性大腸炎の治療の基本は薬による治療です。
軽症の場合には
5-アミノサリチル酸製剤で粘膜の炎症を抑えます。
5-アミノサリチル酸製剤は副作用も少なく、
長期間に使用することができます。

中等症の場合には5-アミノサリチル酸製剤に加えて、
ステロイド薬を使用します。
重症になった場合は抗TNF-α抗体製剤、
カルシニューリン阻害薬などを併用します。
抗TNF-α抗体製剤は炎症を引き起こす物質を、
カルシニューリン阻害薬は炎症に関わっている細胞の機能を抑えます。

薬物療法を行っても症状が改善されない場合や、
潰瘍性大腸炎から大腸がんを発症した場合は、
手術で大腸をすべて摘出します。
炎症のある部分やがんのある部分だけを切除しても、
残した部分に炎症が起き、
がんが発症しやすいことがわかってきたため、
大腸の全摘出を行うのが標準的な治療となっています。