結核

肺の病気 総力特集「結核
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2017/02/0213.html

結核に感染している人は2000万人




結核菌に感染している人は国内では約2000万人いると推定されています。
そのほとんどは、結核を発病している人たちが非常に多かった昭和20〜30年代に、
知らないうちに感染してしまった人たちです。
そのため、感染している人の多くは高齢者で、
70歳代で約40%、
80歳代だと約70%が結核菌に感染していると考えられています。
結核菌に感染した人のうち結核を発病するのは10%程度ですが、
感染している以上は発病する危険性があります。

結核に感染・発病するしくみ




結核を発病した人が室内でせきなどをすると、
結核菌が空気中をただよい、居合わせた人が吸い込むと菌が肺に侵入します。
通常はたんにくるまれて菌が押し出されるため、感染しません。
肺の奥まで吸い込んだ場合に、結核菌が肺に定着して感染します。
多くの人は感染しても結核菌に抵抗する免疫を獲得して、
その増殖を抑え込むため発病しません。
ただし、免疫の働きが弱くなって、
結核菌の増殖を抑えられなくなると発病します。
発病すると、微熱、せき、色のついたたん、体のだるさなどの症状が現れます。
かぜの症状とよく似ているため、かぜと間違えられる場合もあります。

結核 発病危険度チェック




喫煙者は、肺にもとから備わっている免疫の働きが低下するため、
非喫煙者と比べて発病の危険性が2倍高くなります。

結核の検査と治療




結核を発病していると診断された場合は、3〜4種類の抗菌薬を服用します。
6〜9か月のみ続けることで、ほとんどの患者さんは治ります。
まれに、これらの薬が効かない耐性菌による結核になるケースがあり、
その場合、2014年から使われるようになった
デラマニドという抗菌薬と従来の抗菌薬を併用します。
肺に空洞ができているために治りにくい場合は、
外科治療により患部を切除することがあります。