漢方クイズ

Q.下記の症例に用いられた方剤を検討してみましょう。
大腸癌の肝・肺転移に対する化学療法、緩和治療中の食欲不振、全身倦怠が改善した1例
http://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/276/handbook-276.htm#question



[症例]80歳、女性
[主訴]食欲不振、全身倦怠
[既往歴]脳梗塞、高血圧症
[現病歴]S状結腸癌術後、多発性肝・肺転移にて、経過観察中であったが、次第に増大、腹痛も認めるため化学療法(UFT+LV内服)を開始した。以前より認めていた右側腹部痛、全身倦怠に加え、食欲不振を認めた。
[現症]身長152cm、体重43kg、血圧120/66mmHg、眼瞼結膜に貧血あり、Hb8.9g/dL
[治療]化学療法開始5コース目から◆◆◆◆◆7.5g/日分3を処方。腹痛に対しては、NSAID内服を併用した。
[経過]内服開始35日後の化学療法の次コース開始時には、全身倦怠の軽減とともに食事摂取量の増加が認められた。化学療法の3コース目、4コース目はGrade2の好中球減少を認め、次コース開始が1週間ずつ延期となったが、内服開始後の5コース以降は、好中球減少はGrade1にとどまり、延期なく化学療法の継続が可能であった。症状の軽減とともに、外出などの意欲もわき、家族で温泉へ出かけることなどが可能となった。癌の増悪により在宅で亡くなる直前まで、11ヶ月間内服を継続した。


解答





十全大補湯