水虫、塗り薬は1カ月以上、足の裏全体に

水虫、種類に合わせ治療を 市販薬の前に専門医に相談
塗り薬は1カ月以上、足の裏全体に
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仲皮フ科クリニックの仲弥院長は
「水虫だと思い受診する人の約半数が湿疹やかぶれなどの場合が多い」と話す。
専門医でも見た目では判断が難しいことも。
顕微鏡で白癬菌がいるかどうかで診断する。
白癬菌とはカビ(真菌)の一種。


足の場合、3つのタイプがある。
指の間にできる趾間(しかん)型、
水ぶくれのようなものができる小水疱(すいほう)型、
皮膚が硬くなる角質増殖型だ。かゆみや痛みを伴うのは趾間型と小水疱型。
これらが慢性化すると角質増殖型に移行することが多い。


ただ「角質増殖型はかゆみがないため、単なるかかとのガサガサだと思っている人もいる」
と、帝京大学医学部付属溝口病院皮膚科科長の清佳浩教授。
「冬になるとかかとが割れるという人は、
今の時期に顕微鏡で水虫かどうかを調べてもらうといい」(清教授)


■入浴後が効果的
清教授は「自己判断で市販薬を使うと、症状を悪化させることがある」と指摘する。


例えば「趾間型の場合、
ジクジクした症状があるときに抗真菌薬を使うと、かぶれや二次感染を起こすことがある。
まずはステロイド剤などで乾燥させてから治療する」(清教授)。
市販薬を使ってから受診すると、顕微鏡でも白癬菌が確認できず、
正しい診断の妨げになることもある。


白癬菌が爪の奥に潜む爪白癬は、飲み薬を使って体の内側から治す治療法がメーンとなる。
現在は塗り薬も2種類あるが、いずれも医師の処方が必要になる。
「市販薬も正しく使えば効果が期待できるが、自身での見極めが難しい」(仲院長)


塗り薬は正しく塗ろう。
インターネットを通じて医薬品情報を提供する「お薬Q&A Fizz―DI」の薬剤師、
児島悠史さんは「薬は症状のある部分だけでなく、両足の指の間から足の裏全体に塗る。
1日1回、皮膚が清潔な入浴後に使用すると効果的だ」と話す。
1回に片足に塗る量は、チューブ入りの薬なら人さし指の第一関節分が目安。
「10グラム入りチューブなら、1カ月で3本程度を使う」(児島さん)


■職場でサンダル
薬を使い始めかゆみなどの症状が治まると治療を自己判断でやめてしまう人が少なくない。「症状が治まっても白癬菌は残っている。
完治には角質が新しくなるまで最低でも1カ月は薬を使い、
菌を完全に退治する必要がある」(児島さん)。


そもそも水虫にならないためには、どうすればいいのだろう。
同じ靴を続けて毎日履かない、自宅では素足で過ごすといった工夫が有効だ。
「足の指が離れる五本指ソックスを履くのもおすすめ」(仲院長)


「かかとがガサガサするからといって、軽石でこするのは禁物。
傷がついて感染のリスクが高まる」(清教授)という。


■頭や顔、首などで発症する菌も
頭や顔、首などの体にできる水虫にも注意したい。
「新型水虫」と呼ばれるトリコフィトン・トンズランス菌は皮膚に接触することで感染する。
「2000年あたりから国際交流のある格闘技選手の感染が目立ちはじめ、
今は一般にも広まっている」(清教授)。
ネコなどのペットからうつるのがミクロスポルム・カニス菌。
「最近はネコカフェで感染するケースも見られる」(仲院長)


いずれの菌も毛を好み、毛穴の奥に侵入しやすい。
「頭部に感染すると脱毛、体では赤い縁取りのある輪状の発疹ができるのが特徴」
(清教授)。