「漢方薬の味がまずくて飲めない」といわれた場合はどうしたらいいですか?

漢方道場-皮膚科編
森原潔先生(もりはら皮ふ科クリニック院長)
http://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/262/dojo-262.htm

Q1.「漢方薬の味がまずくて飲めない」といわれた場合はどうしたらいいですか?

A1. ココアに混ぜ込んで飲んでもらうと味を紛らわせることができます。

私自身がいろんな飲み物で試してみましたが、
ココアのもつ苦みと甘さが、漢方薬の独特な風味を最も中和してくれると思います。
皮膚疾患に用いる漢方薬は、黄連解毒湯のように苦みがあるものが多く選択されますが、
ココアと混ぜることで小児にも飲ませることが可能になるかもしれません。
漢方薬を混ぜ込んだココアの見た目が、
混ぜていないココアと変わらない点も服用に有利になります。
温かいココアでも冷たいココアでもかまいませんが、
冷たいココアの場合は、エキス剤はほとんど顆粒なので溶かしにくくなります。
また冷たいココアのほうが苦さを打ち消す力は弱くなるように思います。

Q2.「1日3回も忙しくて飲めません」といわれたときはどうしたらいいですか?

A2. 1日2回の服用でも効果は出ます。
しかし当然ながら効果そのものが弱まると考えてください。

Q3.漢方薬を使ってみたけど効かない場合は?

A3. 単に効果発現までの期間が短すぎる可能性があります。
漢方の効果が発現するまでにおよそ2週間を見込んでいます。
皮疹に変化がなくても、体調が良くなった、
不眠が治ったなど変化がある場合は、
続けてもらうと徐々に皮膚にも良い変化が現れてくる場合が多いです。
内服回数が減っている患者さんは、当然長めに効果発現までの期間を見積もる必要があります
処方を変更する場合は、瘀血を治す桂枝茯苓丸を選択してみてください。味も無難です。
慢性疾患の多くは瘀血が関与していると考えられています。
じっくり処方してみると良い結果につながる場合が多いです。
瘀血を治すお薬の場合は、効果発現まで長めに4週間ほどと考えてください。
便秘に注目してみても良いでしょう。
便秘を治すと皮膚疾患はゆっくりですが良くなる傾向があります。
桃核承気湯をよく用いますが、
高齢者や体力が弱い人は麻子仁丸というお薬でもよいです。
漢方薬といえども瀉下作用は強いので、量を自分で調節してもらうと良いと思います。
他の体調に注目する手もあります。
不眠があれば黄連解毒湯を眠前に服用させるとよくなる場合があります。
入眠前のかゆみにも一定の効果が期待できます。
食欲がないなど消化器症状がある場合や疲れやすい場合は、補中益気湯を考えてください。
じっくり服用するとアレルギー体質の改善にもつながるとされています。
味も良く続けやすい漢方薬です。


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