急増する肺MAC症

急増する肺MAC症
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2016/01/0125.html



MAC症は
MAC菌(Mycobacterium avium-intracellulare complex)
という抗酸菌属の細菌に感染して起こる肺の病気で、
近年、中高年の女性を中心に急増しています。





MAC菌を含む「非結核性抗酸菌」は、
結核菌と非常によく似ていますが、ヒトからヒトへは感染しません。
結核性抗酸菌は水や土に広く生息しているので、
そうした環境から感染すると考えられています。
2014年に行われた全国調査の結果、
1年間に新たに発病した患者さんの比率は7年前の調査の2.6倍に増え、
年間10万人あたり14.7人と推定されています。
増加の理由には、
MAC菌が好む温かい環境が増えたこと」
「呼吸器内科医を中心に肺MAC症が広く知られるようになってきたこと」
などが考えられています。





MAC症は結核よりゆっくり進行し、10〜20年かけて重症化します。
初期には
「せき・たんが1か月以上続く」「血たん」、
重症になると「発熱」「全身けん怠感」「体重減少」などの症状が現れます。
さらに進行すると、肺の組織が壊れて空洞ができ、
呼吸困難から最悪の場合死に至ることもあります。











せき・たんなどの自覚症状はだいたい服用後1か月程度で治まってきますが、
再発を防ぐためには長期に(2-4年)薬を服用するほうが良好な経過をたどります。
定期的にチェックして、適宜抗生物質を使いながら悪化や再発を抑えます。